2012年1月16日月曜日

公正裁判の保障と住宅と老後の保障の基本要求


Once upon a time 1969

    ろうあ者の基本的な要求 ( その3 )

5,公正裁判の保障

 イ、ろうあ者が裁判をうける場合、不利益な扱いをうけることのないようにする。
 ロ、いつでも傍聴できるよう手話通訳を配置する。


※ 裁判だけでなく、取り調べ段階で多くの問題もあった。取り調べ調書の段階から、取調官はろうあ者のコミニケーション保障を無視したり、意図的調書がつくられるようになっていた。
 黙秘権の告知もさまざまな言い方があり、基礎的知識がないとろうあ者はもちろん手話通訳者が重大な間違いを犯す危険性があった。
 当時、京都の手話通訳者団では、警察・検察・裁判の手話通訳の依頼は同一人物にならないように申し入れたが、これは黙秘権の告知とも関係した。
 ろうあ者が、被疑者となった場合に同一の手話通訳者であれば、自供を翻すこともむずかしくなることなどなどのこともあり、警察・検察・裁判では各々了解が取れるようになっていた。
 公正裁判の問題となると問題が山積みであった。


6,医療の保障

  イ、保健医療の完備、いろいろな制限を設けない。
 ロ、聴力障害の医療を発展させる。


7,住宅の保障

 イ、公営住宅を大量に建設し、だれもが快適な住宅に住めるようにする。
 ロ、公害をなくし、住宅の環境を整備する。


※ ろうあ者が住めるところ、非常に限定されていた。
 賃貸住宅の場合も陰に陽に断られ、たとえ入居できもその契約条件が十分読めず、あとあと騙されることが少なくなかった。
 そのため、府営住宅、市営住宅、各町村住宅への入居は切実な要求であった。
 京都南部で、ある町長が、町営住宅の入居を勇断したことから、ろうあ者の中に公営住宅への入居を求める要求はさらに強まっていた。


8,老後の保障


 イ、ろうあ者の入れる老人ホームの建設。
 ロ、老人ホームの内容を豊かにより温かく。
 ハ、老後の生活を保障する。


※ 住宅問題と同様で老人ホームの入所は難しく、たとえ公営老人ホームに入居出来たろうあ者もそのコミニケーションと入居者とのコミニケーションがとれず孤独に苛まれることが多かった。
 特に対象となったのは、戦争による孤児だった人も多く、身寄りのない生活をどのように過ごすのかが深刻な問題だった。
 住宅問題と関連して、多くのろうあ者は会社の寮や住み込みで働いていたが、その住宅環境は悪く、寮や住み込みで働かせてやっているとして、休む暇のない仕事をさせられていた。

 高齢になると、大量や住み込みをやめさせるため、行く先のない状況に追い込まれていた。


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