Once upon a time 1969
真の「発生予防」とはなにか
沖縄の風疹障害児のことは、新聞・テレビでよくご存じのこととおもいます。
真の障害者の発生予防は、今日の職場合理化から生まれる労働災害・精神障害・ノイローゼ・交通事故・サリドマイド渦・公害など社会矛盾によって障害者が日々作られているという現実をしっかりと認識し、その根源をうけとめ対策を立て府民のくらしと健康を守っていくことであって、当
の被害者である障害者に対して「子供を生むな」ということになるはずがありません。
医学的体制の整備のみで
障害者の福祉が実現するかのような幻想の危険
福対協事務局のこのような立場は、「障害者は作られている」という今日の社会矛盾を告発することも、「障害者の人権が守られていない」という現実を直視することもせず、単に医学的体制の整備のみで障害者の福祉が実現するかのような幻想上に今後立っていく危険を示しています。
それは、真の障害者の要求をすりかえ障害者がつくられているということを肯定していくものです。私たちは福対協事務局のこのような誤った姿勢を正し、
「身体障害者の方がたにも本当に生きがいのある地方自治を実現することを約束します。」(府議会での蜷川知事の答弁)
という府政の政策を実現していくためにも、私たちろうあ者の要求がもっともっと正しくくみ上げられなければならないと思っています。
私たちの要求
私たちは、当面次のような要求を持っています。
1,ろうあ者のための手話通訳を制度化せよ
2,手話通訳の養成を
3,京都ろうあセンターの事業に行政は責任を持て
4,教育をうけられないろうあ者に生活訓練を
5,ろうあ老人・ろうあ婦人が安心して働ける場を
6,ろうあ者の社会教育を一層発展させよ
京都府職員の皆さん
私たちろうあ者を含めた障害者政策の推進は、社会課だけでなく、全京都府職員の皆さんの理解と援助によってこそ、発展するものであることを痛感しております。
京都府が、私たちの切実な要求に答え真の障害者施策を推進するために、みなさんの御理解とご支援を訴えます。
このことにより、蜷川知事の意図された福対協の立場が明らかになることと、期待しております。
わずか9日の間に
読み書きも充分出来ないろうあ者も含めて連日深夜の論議から
京都府幹部との交渉から明るみになった
「障害者福祉の対策は、障害者が産まれないよう、産まれないようにするのが基本である」
わずか9日の間に読み書きも充分出来ないろうあ者も含めて連日深夜の論議が繰り返されて、1969年9月7日の深夜からガリ版刷りされたビラ。
みんなの思いが込められていた。
このような努力の中で、聞こえる人々に自分たちの思いを知らせること、このような表現でいいのか、いやこのような表現がいい、と繰り返し、繰り返し相談しながら「みんなのビラ」が作り上げらたれてきたのである。
読み書きをこのような中で獲得してきたろうあ者は少なくない。
文字は、自分たちの気持ちや要求を表現するのだと知ったろうあ者の読み書きの獲得には目を見張るものがあった。
残ったビラを「何度も、何度も」写して文字を覚えたろうあ者も少なくなかった。
文字の獲得と同時に自分たちの思いを現す喜びを獲得していった。
障害者政策の推進は
全京都府職員の皆さんの理解と援助によってこそ、発展する
よく、手話通訳やろうあ者福祉は京都だから出来たのだ、と他府県の人から言われることが多い。また、現代の京都の人でもそう言い切る。
だが、その人々はろうあ者が次の世代やろうあ者だけのことではなく障害者全体のことを考えていたこと。
どれだけ勇気をふるって京都府庁前でビラをまいたか。
また会社を遅刻したことを理由に薄給から、それでもまだ賃金カットされた、大幅な収入減それでも行動したことを知る人は少ない。
私たちろうあ者を含めた障害者政策の推進は、全京都府職員の皆さんの理解と援助によってこそ、発展するものであることを痛感しております。京都府が、私たちの切実な要求に答え真の障害者施策を推進するために、みなさんの御理解とご支援を訴えます。
とみんなの考えがまとまったことは、それまでのろうあ者の取組が結実された結果だとも言える。
このビラが、京都府全体に与えた影響は非常に大きかった。
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