Once upon a time 1969
ろうあ者の基本的な要求 ( その4 )
9、文化活動を発展させ、より豊かな生活のための保障
イ、スポーツ活動・文化活動の場所を作り、活動を補助し、その発展を図る。
ロ、サークル活動の発展に力をつくす。
ニ、交通戦争をなくし、運転免許を与える。
2011年12月「非常に悲しい話をしているのに笑顔と笑いだけが残るろうあ者成人講座がはじまった」の項でふれたが、学ぶことは、生きることであり、生きる喜びでもあった。
そのことを切実に感じているがゆえんに、この文化、スポーツ活動の要求が出てきている。
図書館の利用をスムースにということも、公立図書館利用上ろうあ者にとってコミニケーションの問題から非常に利用しづらいことからも出されている。
しかし、その一方で、ろうあ者や聴覚障害に関する図書の保存と閲覧という問題も含まれていた。
ろうあセンター設立時には、「ろうあ者問題に対する研究、および実態調査の実施、またそのために必要な資料を収集する。」ということで、多くの方々から書籍をはじめ資料が寄贈されたが、それらはその後継承されず、戦前戦後のろうあ者問題に関する系統的な文献は保存されていない。
自分たちの足跡を未来に、というろうあ者の考えは卓越したものがあった。
サークル活動としては、ろうあ協会内に、美術、演劇、写真、読書などのサークルが作られ熱心な取り組みが進められていた。
当時は、ろうあ者にとって運転免許は大幅に制限されていた。聞こえないから危険だという理由で。
この問題をめぐって裁判にもなっていたが、その後の運動の中で大幅に緩和されていくことになるが、「交通戦争をなくし」ということを前提にして、ろうあ者の自動車等の免許取得を打ち出していることなど、安全性の基本的問題に迫りつつろうあ者の免許取得を打ち出しているところは、大いに注目される事項である。
なお、前回触れていないかったが、「6,医療の保障」は、医療を受ける以前の問題として、聞こえないことを理由に医療が受けられなかったり、コミニケーションが不十分で医療過誤が起きたり、受け付けられたものの「診察の呼び出し」が聞こえず、最後の診察になるなどの問題が山積していた。
しかし、今日の状況は、天と地のちがいがあると言っていいだろう。
だが、保険証を持っている限りは、自己負担がゼロであった時代を考えて見ると、少なくない矛盾が見えてくる。
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