Once upon a time 1971
Aさんの家には、福祉の関係でしばしば訪問することになった。
その時、聞いた話は今もこころから離れない。
サリドマイド事件を社会的に解明して
国・製薬会社の非人間性を指弾
Aさんは、サリドマイド事件をいろいろな角度から説明してくれた。
サリドマイドは、安全な睡眠薬として開発・販売された。
しかし、妊娠初期の妊婦が用いた場合に多くの障害児が産まれ、1960年代に全国的にも大問題になった。
このサリドマイド事件には、日本の薬事行政と大企業が深く関わり、利益のためなら人間がどのような状況になってもいい、とするあまりにもひどいことが行われているとAさんはきっぱり言い切った。
Aさんは
社会科学薬学論をていねいにわかりやすく説明してくれた
それを立証する一つとして、Aさんは新聞広告を詳細に分析し、広告・宣伝された時期とサリドマイド被害の状況を立証した表を見せてくれた。
専門的なことは分からないが、広告・宣伝の多い月日とサリドマイド被害の発生が見事に一致していた。
しかし、このことを調べるのは大変だっただろうと思った。
Aさんは、「薬害」を無くすためには、マスメディアと製薬会社と厚生省の癒着をもっと見ていかなければならない。
「安全である。」
と製薬会社もマスメディアも認可した国も宣伝されるとそれを信じて、宣伝量に応じて多くの人が信じて、薬を飲む。
それが本当に安全かどうかは、みんなには分からない。
分からないことを利用して、巨額な利益をあげる。
治験の段階でも危険性は分かっていた
欧米では発売禁止になっても日本の製薬会社は販売を続けた
欧米では、サリドマイドの危険性や問題も分かっていた。
治験段階でも。と言って専門書の外書をを出されたが、それをすらすら読める知識は全くなかったが、ここまで外国の文献を調べて行くのは大変だっただろうなあ、とは分かった。
日本の製薬会社は、欧米で問題になっていることをひた隠しにして、販売し、被害が拡大して社会問題になった時に初めて販売を中止したが、そこには人間のいのちや健康よりも利益優先の姿がありありとあり、今だ日本の製薬会社はサリドマイド被害の教訓を製薬会社の基本としていない。
またそれに責任を持つ厚生省も何ら反省をしていない。
人間の生命体系を破壊する枯れ葉剤の散布は
残虐な無差別大量殺人以上のものを産む
だからこれからも、薬害は多発するだろう。
いや、今まで以上に多くなる可能性がある。
Aさんの口調は、厳しく、ハッキリしていた。
「そうですか?」
「大変なことがこれから起きる。ベトナムでアメリカが散布した枯れ葉剤などは無差別大量虐殺の何物でもない。」
「えっ、無差別大量虐殺なんですか?」
「ジャングル地帯に枯れ葉剤をまき、ジャングルのあらゆる生物を殺して、ナパーム弾で焼き尽くす。」
「何もかも焼き尽くすが、枯れ葉剤の有害なものは残り、広がり、生き残った生物はもちろん人間の生命体系まで破壊し尽くす。」
「えっ、人間の生命体系とはどういうことなんですか。」
「枯れ葉剤の特質を調べると、被害を受けた人だけではなく、次世代の子どもたちやその次の子どもたちまで被害を拡大していく。何世代も」
「非常に残虐な行為が至るところで行われている。」
Aさんの話を聞いて非常なショックを受けたが、Aさんの言っていた通りのことが続々と起きてきた。
「教育と労働安全衛生と福祉の事実」は、ブログを変更しましたが、連続掲載されています。以前のブログをご覧になりたい方は、以下にアクセスしてください。
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