2011年9月25日日曜日

障害児の父でもある府税事務所の職員の考えから 自動車取得税・自動車税の減免制度が出来る


Once upon a time 1971

さすが、府税事務所で働いてはる人は言うことが違う

 「自分の子どもは障害がある。だから、行政として何か出来ないか。いつも考えている」
 ある京都府職員の悩みと行政の仕事から考えた末、提案されたのは
「府税事務所に障害児・者や家族の方が自動車税のことでよく来られる。子どもさんや自分や家族の援助のために高いローンを組んで、その上高い自動車取得税を払い、毎年、自動車税を払わなければならない。」
「この税金を免除してこそ、府税事務所の仕事になるのでは。」

えっ、「とる税金」から「とらない税」

 「とる税金」から「とらない税」にすることで、少しでも障害児・者やその家族の負担を減らせる。「どう思う。」という内容の話だった。
 学習会に集まっていた人々は、自動車を買うことなんてとても出来ない人ばかりだった。それほど高価だった。自動車は。
「な、それでも普通自動車でないとやっていけへん人多いのや。軽自動車税は市町村税や。自動車は贅沢品として物品税もかけられる。すごい負担や。」
 聞けば、そうやなぁ、とみんなはうなずき、「さすが、府税事務所に働いてはるだけあるわ。」とまたうなずいた。


自動車取得税や自動車税を
免除しても悪用されたらどうなるのか

 でも、当時鳥取県と同じ財政規模だった京都府(京都市は政令指定都市で別財源)の独自の税収入を「免除出来るだろうか。」という意見も出てきた。
 でも、やれるなら、やろうじゃないかという話になった。
 それから、障害児の父でもある府税事務所の職員は、仕事場や税務関係の人に話をして、理解の輪を広げて、とうとう京都府が障害児者のための自動車取得税や自動車税を減免するという方向を打ち出した。
 府税をとる仕事をしているお父さんだからの発想が、京都府の税制度まで変えることになったのである。
 「減免」は決まったものの税につきものの「悪用」問題が論議された。

  障害児者のために使うからと言って自動車税を払わないで、営業用に使われたらどうなるのなどさまざま論議されたらしい。
 そして、その話は、京都府の民生労働部まで持ち込まれて協議がなされた。

 「なんとか、もっぱら障害児・者のために自動車を使うという証明がとれないか。」などのことだった。

日本最初の障害児者のための
自動車取得税・自動車税の減免制度の発足

 本人・家族が、申請するが、障害者のために100%利用するためという条件をつけてもそれはかえって、他のことに利用させないという縛りをかけることになる。
 病院や施設に車で送ってからその間、買い物をするなどのことがあるだろう。主たる目的が障害児・者のために利用するということでいいのでは、など延々協議がされたらしい。
 なぜなら、自動車取得税及び自動車税を免除している都道府県はなく、全く初めてのことであったからである。
 後から、担当者に聞いたが、みんな何とかしよう、という意思で論議されていて、反対や却下させようという意見は全くなかったとのこと。
 結果的に自動車取得税及び自動車税は、成人の場合は車は本人名義。児童の場合は車は保護者(親権者)名義。

 主として自動車を障害児者のために使うことが記載されていればいい。
 そして、申請者である障害者や障害児の保護者(親権者)が障害者手帳を有していることを福祉事務所長が印を押せばいいという結論に達し、その書式と担当者説明会が行われた。


この子のためにと思いローンを組んで車を買っていたけれど

 福祉事務所では、自動車を持っている人は少ないためこれらの申請は少ないと思われていたが、一人、二人と申請書に福祉事務所長の印がほしい、と言われる人が出てきて、その数は次第に多くなっていった。
 ある障害児のお母さんは

「ほんま、助かります。ありがとうございます。この子のためにと思いローンを組んで車を買い、リハビリに通ってましたけれど、これから毎年自動車税を払わないですむとなれば、どんなに家計が助かることか。こんなこと言うの申し訳ありませんが…」
と言われたり、
「自動車取得税も自動車税も減免されるのでしたら…」
と新たに自動車を購入して、障害児者のために使えると喜ぶ人が増えてきた。
 

 その後、国に波及して国は物品税の減免を認めるようになった。
 今ではそのようなものはなくなったが、全国の都道府県市町村で自動車税の減免制度が取り入れられ、その対象枠が広げられていった。
 


 ある府税事務所のお父さんの発想と行動は、だれも知らなくなったが、自動車の減免制度は多くの人に知られるようになっている。

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