2012年6月9日土曜日

1973年 京都府知事蜷川虎三氏「憲法・地方自治・教育」講演全文(2)  愛人にあいにいくような楽しい学校に


教育としてのろう教育・聴覚障害児教育・障害児教育
ー京都のほどんど知られていない障害児教育から学ぶ教育ー


日本で創造された共同教育 インテグレーション・メインストリーミング・インクルージョン ましてや特別支援教育ではなく(4)
   ※ 読みやすくするために「小見出し」をつけました。

  朝おきたらいそいそと
      愛人にあいにいくような楽しい学校にしたら

 微分.積分なんてものを、やたらつめこんで、一体どうしようと考えているのか。
 しかも、XとかYとか、生活からにじみ出たものとは、ほど遠い机上の学問ばかりです。
 実際、今の学校でやっている問題は、大人にもできないものもありますよ。
 私など、昔学校で習ったもので、今もとても役立っているものもたくさんありますが、それにしても、今の学校で教えているのは、多すぎるって気がします。


 この前、校長たちの集まりで

「数学の先生が六角形に見えるような学校でなく、朝おきたら、いそいそとね、愛人にあいにいくような楽しい学校にしたら…」

と話したんですが、どうも役人がつくる学校なんてとこでは、いい人間を育てることはできないと思います。

 いい人間を育てる道……「道はただひとつその道をゆく春」てのは私の句ですが、ただ一つの道、それは昭和22年3月31日に制定された教育基本法にみる限り、憲法の道である。
 というのが私の信念です。


 未来への希望の道は
   子どもを大切にしあわせにする

 子どもを大切にしあわせにすることが、未来への希望の道であると私は信じています。

「われらは、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、教育の力にまつべきである」

 こう、教育基本法の前文にはうたわれていますが、役人は、どうもこれを忘れて、なにか他の力をかりてものごとをやろうとしている。
 だから、中教審答申なんて余計なものが出てくるんです。

 つづいて教育基本法は、

「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にして、しかも個性のゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない」

といってるんです。

 私は知事になって23年間、この小さな憲法と教育基本法のポケットにはいる豆本をこしらえて全職員にいつも持たせ、欲しいとおっしゃる方にはさしあげてきました。
 もっとも「要らない」とおっしゃる方はいません。


 どうも、この「憲法の精神にのっとり」という重要な部分が忘れ去られているようです。

 怪しいし  正当に選挙された
  守られていない  われらとわれらの自由

 私は教育の道は、子どもを育てる道はだひとつだと思います。
 それは、憲法の道、……役人らしい言い方ですが、教育基本法にのっとっていいますと、文部省はしばしば教育基本法に違反しています。
 裁判所を日本じゆうにいくつ作っても話にならない位にね。

 だから、先日の最高裁の裁判官の国民審査には、全員×をつけました。役にたたない裁判官はやめてもらうしかない。
 きょうは沖縄の方もいらしてると思いますが、私は、憲法の精神の重要さについて、この「ポケット憲法」を、沖縄にも配って、早く沖縄県になるようにって訴えてきました。

 憲法に格調高くうたわれている「前文」の精神は五つあると思うんです。

第一は、憲法確定の精神です。

「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて」……この代表者に悪いのがいて困るんですが。

「代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し政府の行為によって、再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」

と、これが第1項目です。

 どうも、この前文でいう
「正当に選挙された」ってのは、現実には怪しいし、「われらとわれらの自由」は、ちつとも守られていない。

 私は昔、役人を少しやったことがあるんです。といっても、すぐクビになりました。
 国会の審議も、ウラ門から入って聞いたわけですが、あんなもんで、憲法のいう、代表、といえるか。
 選挙のとき、みんながしっかりしてれば「われらの代表」は選べるんです。
 けれど実際には金を使えば、誰でも入れる。
 京都あたりだと、よだれをたらしたような古い大物が……現にテレビでよだれをたらしてるのみましたよ。
 ようやくビリから二番目めで当選したりする。シリから二番目だって、当選させたらいかんのです。そういう者は。
 やはり平素の教育が大事です。


   国益なんて、憲法にちゃんと書いてあるのに

第二は、国政です。

「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その権利は国民がこれを享受する。これは、人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切のの憲法・法令および勅詔を排除する」

こういうふうに書かれています。

 昨年の秋ごろでしょうか、「国益とは何か」って議論がありました。
 大学の先生でテレビでベラベラしゃべるんだけど、何が何だかさつばりわからない。

 国益なんて、憲法にちゃんと書いてあるのに、わけのわかんことをしゃべるのが、国立大学の先生かと思ったら、背筋が寒くなりました。
 大学に入って、そんな政治学を習うくらいなら、子どもは、大学には入れない方がいいんです。

 そんなわけで、変な政治学を教えるんだから、子どもの大学の成積は良ろしくない。

 もう国立も、公立、私立も、わからない憲法、を教えられているんです。


0 件のコメント: