2012年6月16日土曜日

人間としての生きがいを充分に享受できるための日々のいとなみを守る   1973年 京都府知事蜷川虎三氏「憲法・地方自治・教育」講演全文(9)


教育としてのろう教育・聴覚障害児教育・障害児教育
ー京都のほどんど知られていない障害児教育から学ぶ教育ー

日本で創造された共同教育 インテグレーション・メインストリーミング・インクルージョン ましてや特別支援教育ではなく(11)
   ※ 読みやすくするために「小見出し」をつけました。

        くらしを守るのが私の方針である

 地方自治というとき、大切なことは、地域住民のくらしを守る組織ということが第一であり、第二は、住民みずからが、自らの組織を守るということです。

 くらしを守るってことが大事なところなんです。


 ところが、どうも、その、暮し、ってことがよくわからない人がいるらしい。

 私が昭和二十五年に知事になったとき、府議会で

「くらしを守るのが私の方針である」

と話したところ

「こんどの知事は妙な奴で、女どもばかり味方で、めしの炊き方やみそ汁のつくり方ばかりやるらしい」

という。

 くらしとは、ミソシルとかオカズでもつくることだ、と思ってるらしい。
 保守反動の議員の頭ってのは、この程度なんだ。


  人間が、その生命を維持し、発展させ
    人間としての生きがいを充分に享受できるための日々


 ところが最近は、選挙になると、くらし、を言わない者はない。

 その上、くらしから、いのちを引き出して、猫もシャクシも「生命とくらしを守る」っていいだす始末です。
 私あ、あのとき特許をとっとけばよかったな(笑)と思うんですよ。

 しかし地方では、それだけに、暮しってことが、またわからなくなっているという面もでてきました。
 私は、この、くらし、ということを、次のように考えるんです。

 ……人間が、その生命を維持し、発展させる。
 しかも人間としての生きがいを充分に享受できるための日々のいとなみ……それが暮しってものです。


くらしそれ自体  くらしの周辺    くらしの基盤

 そのような、くらし、を守るのが、地方自治体であり、その運営が地方自治なんだと私は考えます。
 そうして、その場合、つぎの三つの問題があります。

 第一は、くらし、それ自体です。

 第二は、くらしの周辺、ということ。
 人間は、社会的動物ですから、いろいろの人間的な関係、文化、芸術、教育、経済、政治ってものをも.ってくらしてる。
 人間関係と自然との関係があるんです。


 第三は、くらしの基盤、の問題です。

 これは、人間みずから出すエネルギーと、自然が出すエネルギーとをカクテルにして、人間は生きている、暮しているってことです。
 このカクテルは、世間では、産業、ともよばれてますが、この自然のエネルギーってものを、人間
 社会のために、私たちのくらしの中に、生きがいのために、 本当の意味でひき出せるかどうかが問題なんです。

 以上の三つの問題を総合しながら、なお、その一つひとつを堀り下げていくことが、くらしの研究、だと、私は、考えます。


 

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