教育としてのろう教育・聴覚障害児教育・障害児教育
ー 京都のほどんど知られていない障害児教育から学ぶ教育 ー
文字の字数を考えてカッコの大きさを考えて
英語のI先生の「次の段階へとすすむ」授業は驚かされた。
小さなプリントに□・△・( )などが書いてあって、後は英語が書いてある。英語には、日本訳が簡単に書いてある。
「この枠の中に英語を書いて、英語の文章を作ってください。」
と生徒に言う。
でも最初の頃は、文字の字数を考えてカッコの大きさを考えてあるのがポイントらしかった。
パズルのように思っていた生徒が ええっ これであってるのか
生徒は、日本語訳を読んで日本語の組み合わせで文章がわかるので、日本語の順序通りカッコの中に英語を書いていくが、カッコに入らなかったり、空きすぎたりする。
すると
「先生、このカッコ小さすぎるで」
「大きすぎるで」
「なんでこんな△あるんや。二文字しか書けヘンやんか」
など次々意見が出てくる。
ここでしめしめ待っていたとばかりに、黒板に英語を書いて、英語は日本語と同じ順序で表現しないことを意味を説明する。
この時、一番気を使わないと、ここで
「そんなめんどいのいやや」
と生徒が言い出すので、ていねいに英語表現の方法を説明して、あえてカッコの大きさに入る英語も考えて、とヒントを生徒に教える。
同じワクに入る英語……。生徒は一生懸命考えて、
「出来た」
「けど、これでいいんんかなあ。なんかヘンやけどなあ」
と言いながらもプリントを出す。
次の時間。プリントを返す。
「ええっ これであってるのか。先生、これ○つけてあるけど、先生のつけ間違いちがうん」
と聞いてくる。
そこで、英語の順序と日本語の順序がちがうことや、英語表現は、日本語より先に単語がが来る時もあるが、また逆の場合もある。
△は、二文字や三文字だけれど、それをこういう英語を書くと、このように意味がまったくちがってくる。
と説明して、また新しいプリントを配る。
そして、生徒たちの理解状況を見て同じ大きさのワクだけにしたりして、ヒントをなくして、さらにすすめばワクをなくす。
小さな積み重ねが 結果に多くのことを学ぶ結論を招く
和訳、英訳の相互がとその変化を次第に知って行くと、生徒の興味は深くなり、
「なんや、おれでも英語出来るやん」
と言い出すようになる。そうすると次の段階にうつる。
とI先生は、1年間のプリントを参加した教職員に広げて見せてくれたが、結局1年間で多くの英語を生徒が書くことになることは一目瞭然だった。
小さな積み重ねが、結果に多くのことを学ぶ結論を招いたのである。
教職員は、この段階で二つのことを学び、論議した。
1957年2月6日 山城高校定時制生徒会文芸部「夜学生の詩 19号」より
母娘
大きく手短い母の手が
不器用に私の髪を結っている
母の手が頭に触れる度に
くすぐったい様な
それでいて何かしら
甘いような気もする
出来上がったおかしな
頭を見て
二つの顔が鏡の中で
笑っている
Esperanza
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